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ips細胞による新しい歯科治療への期待

知ってしあわせ
倉本歯科医院 院長 倉本弘樹
 
京都大学の山中伸弥教授らにより2006年にips細胞が発見され輝かしきノーベル賞の受賞に結びつかれたことは、まだ皆様の記憶に鮮明に残っていることと思います。
ips細胞は人間の皮膚などの体細胞に、極少数の遺伝子を導入し、数週間培養することによって、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力とほぼ無限に増殖する能力をもつ多能性幹細胞に変化します。
この細胞を人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells:ips細胞)と呼びます。
体細胞が多能性幹細胞に変わることを、専門用語でリプログラミングと言います。
山中教授が見出したわずかな遺伝子の操作でリプログラミングを起こさせる技術は、再現性が高く、また比較的容易であり、幹細胞研究におけるブレイクスルーと呼べます。
ips細胞の発見により難治性病変である、パーキンソン氏病や白血病、骨髄損傷、腎不全などの治療に光と希望が注がれました。
従来から行われている歯科治療では、虫歯になってしまった部分を削り取り、金属や樹脂、更にはセラミックを用いて修復を行っています。
さらに虫歯が進行してしまうと歯髄を除去してその根幹を消毒し、感染が起こらないように根幹に安定した物質(根幹充填材)を緊密に詰め込み、死んでしまった歯牙を静腐的に保存し、根幹に土台を立ててその上からセラミックやジルコニアなどで作られた冠を用いて歯冠修復を行います。
歯周病により歯を支える歯根周囲の骨(歯槽骨)を失い、抜歯に至り歯牙を喪失してしまった場合は、両側の歯牙を削りブリッジを用いて欠損部を補うか、義歯またはインプラントなどによる治療法が主流となっています。
歯周病により失われてしまった骨については人工生体材料で骨の造成を図ったり、自身の骨を移植して骨量の回復を図ったりする方法が現状の歯科治療の限界で、新たに新しい歯牙を作成して植えつけるなど、人工物に頼らない夢のような治療方法は、残念ながらありませんでした。
ips細胞が発見されて以降、各研究機関では様々な口腔領域に関連した研究がなされています。
大阪大学大学院歯学研究科では山中教授らとの共同研究で、インプラントや歯周外科治療時に切り取られ捨てられてしまう組織を用いてips細胞を作ることに成功している。
もともと捨てられてしまう組織を用いることで患者への負担も軽減され、さらに口の中の細胞は増殖能が高いため、従来行われていた皮膚の細胞を用いるより7倍以上の効率でips細胞を作成できることが解明され、将来的に歯周病で失われたあごの骨や歯の再生に役立つと期待されています。
東北大学歯学研究科ではips細胞からエナメル質をつくるエナメル牙細胞(※1)の誘導に成功しました。
歯はエナメル質、象牙質、セメント質の3つの硬い組織から構成されています。
この中でもエナメル質は、生体内で最も硬い組織で、人が 咀嚼を行う時に最も重要な役割を果たしています。
これまでエナメル質は、一旦虫歯や破折により破壊されると、再生させることは不可能であり、人工物による修復しかできませんでした。
しかし、一連の研究により、ラット由来の歯原性上皮細胞株と共培養を行うことでマウス由来のips細胞をエナメル芽細胞へ分化誘導することが可能になり、さらにこれらから、象牙質を形成する象牙芽細胞(※2)の分化誘導も成功しています。
これらの細胞の組み合わせにより全身のどこの細胞からも、歯を作り出す可能性が生まれました。
これらの研究が進むことにより新しい歯を植立させたり、虫歯で削り取られたエナメル質を再生させたりすることのできる夢のような治療への期待が膨らみます。
しかしながらどんなに再生医療が進んだとしても、再生した新しい歯をまた虫歯や歯周病にしてしまわぬためには、定期的な歯科医院での:プロフェッショナルメンテナンス:と毎日のブラッシングを欠かさないことが大切です。
(※1)エナメル芽細胞(エナメルがさいぼう、英:ameloblast)は、エナメルタンパクのエナメリンやアメロゲニンを産生する細胞。造エナメル細胞とも言う。
これらのエナメルタンパクは、石灰化して人体でもっとも硬いエナメル質となる。
エナメル芽細胞は外胚葉起源の口腔上皮組織に由来しており、これが歯乳頭からの刺激によりエナメル芽細胞となる。
(※2)象牙芽細胞(ぞうげがさいぼう、英:odontoblast)は、歯髄の最外層にある細胞。
炎症などにより死亡しない限り、象牙質の形成を続ける。

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