11月8日は「いい歯の日」。いい歯とはどんな歯をいうのでしょう。「クオリティ・オブ・ライフ(QOL)を高めてくれる歯」と話すのは倉本歯科医院の倉本先生。しっかり噛めることが消化を助け美味しさを味わうことができ、バランスの良い栄養がとれ、ひいては病気を防ぎ健康が維持できる、といった噛めるサイクルが健全に保たれている歯のことをいいます。
半年に一回は歯科医院にて定期検診をおすすめします
できるだけ早期に発見して治療を
「痛くて昨晩寝られなかった」「歯肉が腫れた」「銀歯がはずれた」「咬むと痛みがある」「暖かいものや冷たいものがしみる」など自覚症状が出ると噛めるサイクルが崩れ、健康に異常をきたすばかりか、かなり重篤な状態になってしまっている歯も少なくありません。
例えば、歯の神経を抜かなければならなかったり、また数本の歯を抜歯しなければならなかったり。特に歯周病は細菌感染による慢性疾患で自覚症状のないままに進行していき、急性化し末期になって痛みや膿がでたりして初めて、その重篤さに気が付くことも多々あります。
虫歯の場合でも、自発痛が出たり暖かいものがしみたりする場合は歯髄(歯の神経)が化膿しているため神経を取る治療を行わねばなりません。 神経の治療には時間もかかり、また治療後は弱くなった歯を健全に機能させるため、土台を入れて被せなければならず、時間も費用も掛かってしまいます。
他にも、歯根の先の顎の骨の中に膿がたまる根尖性歯周組織炎も急性化しないと自覚症状がないことが多く見受けられます。
具体的には、半年に一回は歯科医院にて定期検診を受けることをお勧めします。そこで歯周病や虫歯のチェックを受け、レントゲンにて歯根、歯槽骨の状態も調べれば完璧です。1年以上放置しておくと、食物残渣が唾液中のカルシウム成分とともに石灰化して歯石となってしまいます。この様な状態では歯磨きを一生懸命にされてもなかなか取れない状態となり、歯周病が進行してしまうことが多々あります。歯石の除去も検診時に同時に行ってもらうと歯周病の予防を行うこともできます。もちろん、自覚症状がなくても歯科医に指摘された歯の治療はその時に受けることも大切です。
80歳になっても御自分の20本の歯でおいしく咬むことを目標に定期検診を受診して歯を大切にすることこそが、健長寿に向けた最善の防御策であると言えます。
いい歯の日をきっかけに、痛みのない方も歯医者さんの扉をたたいてみてはいかがでしょう。